project logo

GDAL/OGR クイックスタート

このクイックスタートではターミナルのみ必要となります。結果を視覚化したい場合には、 QGIS. など、 OSGeo-Live に含まれているデスクトップ GIS アプリケーションをご利用ください。

このクイックスタートは GDAL(ラスタデータ)と OGR(ベクタデータ)の二部で構成しています。まず GDALからはじめます。

クイックスタートの流れ:

GDAL
  • gdalinfo で画像データを探索しましょう
  • gdal_translate でのフォーマット変換
  • gdalwarp での投影法変換
  • gdal_warp もしくは gdal_merge.py を用いたタイリング
  • gdaltindex でのラスタタイルインデックス作成
OGR
  • ofrinfo によるデータの情報取得
  • ogr2ogr によるデータフォーマットの変換

GDAL について

/usr/local/share/data のデモデータをご覧下さい。このクイックスタートでは Natural Earth のデータ について見ていきます。はじめにデータのコピーを作成します。ホームディレクトリにデータをコピーしてください。

cd /home/user
cp -R /usr/local/share/data/natural_earth/ ./gdal_natural_earth

NaturalEarth のラスタファイルと tfw-file は以下の位置にあります。

cd /home/user/gdal_natural_earth/HYP_50M_SR_W

Tip

QGIS などのデスクトップ GIS でファイルを開いてみてください。

gdalinfo でラスタデータの情報を取得する

gdalinfo HYP_50M_SR_W.tif
  Driver: GTiff/GeoTIFF
  Files: HYP_50M_SR_W.tif
         HYP_50M_SR_W.tfw
  Size is 10800, 5400
  Coordinate System is `'
  Origin = (-179.999999999999972,90.000000000000000)
  Pixel Size = (0.033333333333330,-0.033333333333330)
  Metadata:
    TIFFTAG_SOFTWARE=Adobe Photoshop CS3 Macintosh
    TIFFTAG_DATETIME=2009:09:19 10:13:17
    TIFFTAG_XRESOLUTION=342.85699
    TIFFTAG_YRESOLUTION=342.85699
    TIFFTAG_RESOLUTIONUNIT=2 (pixels/inch)
  Image Structure Metadata:
    INTERLEAVE=PIXEL
  Corner Coordinates:
  Upper Left  (-180.0000000,  90.0000000)
  Lower Left  (-180.0000000, -90.0000000)
  Upper Right ( 180.0000000,  90.0000000)
  Lower Right ( 180.0000000, -90.0000000)
  Center      (  -0.0000000,   0.0000000)
  Band 1 Block=10800x1 Type=Byte, ColorInterp=Red
  Band 2 Block=10800x1 Type=Byte, ColorInterp=Green
  Band 3 Block=10800x1 Type=Byte, ColorInterp=Blue
注記:
  • ドライバは “GTiff/GeoTIFF”
  • サイズは 10800x5400
  • 3バンド、8bit color
  • 代表点の座標(4隅)
  • 投影法なし

簡易フォーマット翻訳

まず、ドライバの情報を取得します。 コマンドラインから –formats のオプションをつけて gdal_translate を起動すると、利用できるフォーマットドライバが一覧できます。

各フォーマットレポートは以下のように読みます。
  • 読み込みのみ (ro - read only)
  • 読み書き (rw - read write)
  • 読み書き更新 (rw+)
gdal_translate --formats

コマンドラインスイッチ –format では指定したドライバについて、作成オプション、 利用できるデータタイプなど詳しい情報を見ることができます。

gdalinfo --format jpeg
gdal_translate --format png

フォーマット変換

フォーマット変換は gdal_translate コマンドを使用します。 デフォルトでは出力フォーマットは GeoTIFFになっています。

gdal_translate HYP_50M_SR_W.tif HYP_50M_SR_W.png

-of フラグは出力フォーマットの指定に、 -co フラグは作成オプションに使用します。

gdal_translate -of JPEG -co QUALITY=40 HYP_50M_SR_W.tif HYP_50M_SR_W.jpg

-ot スイッチはデータ型の変更に使用します。

gdal_translate -ot Int16 HYP_50M_SR_W.tif HYP_50M_SR_W_Int16.tif

データ型を知るには gdalinfoを使用してください。

縮尺変更

gdal_translate で -outsize スイッチを使用すると、出力ファイルの縮尺を変更できます。

gdal_translate -outsize 50% 50% HYP_50M_SR_W.tif  HYP_50M_SR_W_small.tif

gdalinfo でサイズの確認を行ってください。

-scale スイッチを使って、データの縮尺を変更できます。入出力範囲も細かく調節できます。 gdalinfoで -mm スイッチでピクセルの最小/最大の範囲を見ることができます。

-srcwin スイッチを使って、ピクセル単位で画像内の特定 box (xoff yoff xsize ysize) を切り抜いたコピーを作成できます。 -projwin スイッチを使うと ジオリファレンスによる box 指定 (ulx uly lrx lry) ができます。

gdalinfo -mm HYP_50M_SR_W.tif
gdal_translate -srcwin 0 0 5400 5400 HYP_50M_SR_W.tif  west.tif
gdal_translate -srcwin 5400 0 5400 5400 HYP_50M_SR_W.tif  east.tif

gdaltindex によるラスタタイルインデックスの作成

shp ファイルのタイルインデックスを作成できます。 各画像境界形状のポリゴンを生成します。

gdaltindex index_natural_earth.shp *st.tif

出力した shp ファイルを QGIS と ogrinfo で見ると以下のようになっています。 (詳細は後述する ogrinfo の使い方を参照してください。)

../../_images/gdal_gdaltindex.png
ogrinfo ../HYP_50M_SR_W/ index
INFO: Open of `../HYP_50M_SR_W/'
    using driver `ESRI Shapefile' successful.

Layer name: index
Geometry: Polygon
Feature Count: 2
Extent: (-180.000000, -90.000000) - (180.000000, 90.000000)
Layer SRS WKT: (unknown)
location: String (255.0)
OGRFeature(index):0
  location (String) = east.tif
  POLYGON ((-0.00000000001796 90.0,179.999999999964047 90.0,179.999999999964047 -89.999999999982009,-0.00000000001796 -89.999999999982009,-0.00000000001796 90.0))

OGRFeature(index):1
  location (String) = west.tif
  POLYGON ((-179.999999999999972 90.0,-0.00000000001796 90.0,-0.00000000001796 -89.999999999982009,-179.999999999999972 -89.999999999982009,-179.999999999999972 90.0))

投影法変更

この手順では、 HYP_50M_SR_W.tif が境界線付きで正確に作成されていることを前提としています。 既に gdalinfo で見たように、投影法は設定されていませんでした。 そこでます、この画像に WGS84 を指定します。

gdal_translate -a_srs WGS84 HYP_50M_SR_W.tif HYP_50M_SR_W_4326.tif

gdalwarp コマンドでは画像の再投影ができます。ここでは WGS84 からメルカトルに変換してみます:

gdalwarp -t_srs '+proj=merc +datum=WGS84' HYP_50M_SR_W_4326.tif mercator.tif

gadlinfo で投影法の変換が行えたことを確認し、画像を見てみましょう。

../../_images/gdal_mercator.png

続いて、正射投影 に変換してみます。

gdalwarp -t_srs '+proj=ortho +datum=WGS84' HYP_50M_SR_W_4326.tif ortho.tif
../../_images/gdal_ortho.png

ノート 極付近を切り出すにはどうしたらよいでしょうか? gdalwarp ではすべてのデータを読むことができないため、極付近は投影を変換できません。足りない部分のデータを周辺のデータで強制的に埋めることで読み込ませることができます。詳しくは http://trac.osgeo.org/gdal/wiki/UserDocs/ にあるラスタチュートリアルをご覧下さい。

タイリング

python スクリプト gdal_merge.py を使って、シンプルなタイリングを行えます。 east.tif と west.tif を一つのファイルにしてみます。

gdal_merge.py  east.tif west.tif -o merged.tif

gdalwarp を使っても同じことができます。 gdalwarp は様々な gdal_merge よりも多くの利点を持ち合わせていますが、多くのファイルを結合する際にはより時間がかかります。

gdalwarp east.tif west.tif warpmerged.tif

OGR について

cd /home/usr/gdal_natural_earth/

Tip

QGIS などのデスクトップ GIS でここにある shp ファイルを開いてみてください。

ogrinfo でベクタデータの情報を得る

ogrinfo ./natural_earth
INFO: Open of `../natural_earth/'
    using driver `ESRI Shapefile' successful.
1: 10m_lakes (Polygon)
2: 10m_land (Polygon)
3: 10m_rivers_lake_centerlines (Line String)
4: 10m-admin-0-countries (Polygon)
5: 10m_ocean (Polygon)
6: 10m-urban-area (Polygon)
7: 10m_populated_places_simple (Point)

-so をつけて ogrinfo を実行すると、データの概要を見ることができます。

ogrinfo -so ../natural_earth/ 10m-admin-0-countries
INFO: Open of `../natural_earth/'
      using driver `ESRI Shapefile' successful.

Layer name: 10m-admin-0-countries
Geometry: Polygon
Feature Count: 251
Extent: (-179.999783, -89.999828) - (180.000258, 83.633811)
Layer SRS WKT:
GEOGCS["GCS_WGS_1984",
    DATUM["WGS_1984",
        SPHEROID["WGS_1984",6378137.0,298.257223563]],
    PRIMEM["Greenwich",0.0],
    UNIT["Degree",0.0174532925199433]]
OBJECTID: Integer (9.0)
COUNTRY: String (100.0)
FEATURECLA: String (32.0)
SOV: String (100.0)
SHAPE_LENG: Real (19.11)
SHAPE_AREA: Real (19.11)

パラメータなしで ogrinfo を起動した場合、それぞれのデータセット直後のセクションの概要を表示します。

ogrinfo ../natural_earth/ 10m-admin-0-countries

出力結果を grep にパイプで渡して、必要な箇所のみフィルタできます。ここでは COUNTRY を含む行のみ抜き出してみます。

ogrinfo ../natural_earth/ 10m-admin-0-countries | grep COUNTRY

COUNTRY: String (100.0)
COUNTRY (String) = Afghanistan
COUNTRY (String) = Akrotiri Sovereign Base Area
COUNTRY (String) = Aland
COUNTRY (String) = Albania
COUNTRY (String) = Algeria
COUNTRY (String) = American Samoa
COUNTRY (String) = Andorra
etc.

別の形式でも出力できます。 サポートするフォーマットは –formats をつけて起動すると表示されます。

ogr2ogr でのファイルフォーマット変換

ogr2ogr を使用して、地物のファイルフォーマット変換が行えます。 –formats でサポートしているフォーマットを読み書きの情報込みで見ることができます。

国境の shp ファイルから GML を作成してみます。

ogr2ogr --formats
ogr2ogr -f GML countries.xml 10m-admin-0-countries.shp

やってみましょう

次のステップとして以下のようなことをやってみるとよいでしょう。

  1. gdalwarp か gdal_merge.py で持っているデータをタイリングしてみましょう
  2. gdaladdo でオーバービュー(サムネイル)を作成してみましょう
  3. QGIS では多くのフォーマットのサポートに GDAL/OGR を使用しています。ラスタデータの処理のために GdalTools プラグインを備えています。このプラグインは gdal-tools を QGIS に統合します。
  4. ogr2ogr でお手持ちのベクタデータを PostGIS など別のフォーマットに変換してみましょう。ogr2ogr のオプションを確認してみましょう。
  5. QGIS プラグインの OGR-Layer-Converter を試してみましょう。

更新情報

これは GDAL と OGR の最初のステップにすぎません。ほかにもたくさんの機能があります。

GDAL プロジェクトホーム

OGR のすべて

GDAL チュートリアル

Copyright & Disclaimer